Y's DIARY

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

 「迷わず行けよ、行けばわかるさ。…馬鹿になれ!!」

 誰かがそう言った。



 だから、俺は迷わず行った、新宿ミラノに。朝4時半に起きて、6時前の電車に乗って、8時からのエヴァ新劇場版・第1回上映を観るために。

 初めは「エヴァ新劇場版、上映期間中に1回ちょっと観てみるか」くらいの漠然とした気持ちだった。それが次第に「109シネマズMM(みなとみらい)で公開初日に観よう」と思うようになった。それが今度は「109シネマズMMの公開初日・第1回上映を観よう」と思うようになった。そして、それが最終的には「公開される劇場の中で最も規模の大きい(収容人数1000人超)新宿ミラノの公開初日・第1回上映を観よう」と考えるようになった。最終的に新宿で観ることを決めたのは前日の深夜、つまり昨日(厳密に言えば今日)の深夜である。おかげで、夜は2時間程度しか眠れなかった。

出発


 曇ってたこともあって、出発時(午前5時半)はまだ薄暗かった。「いや~、俺って物好きだな~」とつくづく思う。

 駅まで歩いて、電車に乗る。青春18きっぷが残り1回分使えたので、それを使い切る。実は、青春18の使用回数が残ってたことも、わざわざ新宿まで行くことを決めた大きな要因でもある。ホントは、残りの1回を使って熱海にでも温泉旅行に行こうかと思っていたのだが、タイミングを逃してしまったため、9月10日の使用期限までに行けそうもなくなってしまった。それで、余らせるのも勿体無いし、どうせ使うんなら今回のために使おう、と思ったのである。

 早朝も早朝だから車内は空いてるかと思いきや、東海道線・山手線共に座る席がないほどの乗客がいた。みんな、朝早いんだな。

 午前6時45分、新宿ミラノに到着。報道陣が多数詰め掛けていて、開場待ちの列が既に出来上がっている。

開場前の行列
開場前の行列・先頭付近


 おぉ、このお祭り感覚、いいね。去年のプレーオフを西武ドームに観に行ったときも開場待ちの列がすごかったけど、それに近いワクワク感だ。

 しっかし、傍から見たら、この行列は相当気持ち悪い連中だったろうな。っつーか、俺も「うわぁ…、オタクだらけや」って引いたもん。いや、もちろん、その場にいて列に加わっている俺もそのオタクの中の1人であることは間違いないんだけど、オタクなんてそんな誇れるようなものではないっていう感情が俺の中にはあるからね。自分自身オタクだから差別意識なんかはないんだけど、どこかで少し距離を置いて見るようなアンビバレンツな感情は確かにある。

 何の記者か知らないが、若い2人の男性がそれぞれマイクとカメラを持って、列に並んでいる人のうちの何人かにインタビューをしており、彼らは段々自分の方にも近付いてきた。「あ、そういや今の俺の髪型、図らずもシンジと似たような髪形じゃないか。これはインタビューされるかもしれん」などと自意識過剰なことを考え、俺はインタビュー拒否のためにイヤホンをして音楽をずっと聴いていた。

 そういえば、前述のプレーオフのときもインタビューしている記者やアナウンサーが多数いて、確かフジテレビの宮瀬アナもいた。そのときも「インタビューされたらどうしよう」とか、そもそも有り得ないことを無駄に心配していた。いかんね、自意識過剰は。

 午前7時、ついに開場。

劇場入り口


 この劇場は定員入替制(チケットを買う際に席の場所も決められる)じゃなくて、場内に入った順に自由に席が取れるシステムらしく、俺が入ったときにはもういい席はほとんどとられていた。俺は、その中で何とか中央左側に空席を1席見つけ、そこを確保した。

 パンフレットとグッズを買って、上映開始を待つ。

 午前8時、近日公開映画の予告編の上映が開始される。おぉ、もうすぐだ。

 同15分、ついに本編上映開始!

 ネタバレになってしまうので内容については詳しく書かないが、とにかくただのリメイクなどでないことは確かだ。エヴァであって、エヴァでない、まさにその表現がピタリと来る。アニメ版エヴァをベースにした完全新作アニメ映画と言っていいかもしれない。

 正直なところ、観る前までは「何で今さらエヴァなんだ? それもアニメ版のリメイク、つまりは焼き直しだろ?」という気持ちが少なからずあった。そして実際、中盤くらいまでは、アニメにはなかった意味深な新作カットも時折見られたものの、やはりアニメ版のリメイクという感じで、「確かに映像のクオリティはすごくなってるけど、でもそれだけなのか?」と思っていた。が、中盤以降、アニメ版とは明らかに違う展開が待っていたのである。
 姿形は変わらないものの、ある重要な1点が完全にアニメ版とは違うサキエル。さらに、ゲンドウと冬月による、シンジを巡った意味深な会話。そしてクライマックスに現れる人物と、その言葉。
 この映画を観た人は、最後に画面が暗転してお馴染みの極太明朝体の「つづく」の文字が右下に現れたときには、もう何が何だかわからないといった一種のパニック状態に陥るであろう。少なくとも俺はそうだった。繰り返すが、エヴァであって、エヴァでないのだ。どういうことか、もう少し詳しく言えば、例えばヤシマ作戦の後の「笑えばいいと思うよ」の名場面などはしっかりある。それは紛れもなく「エヴァ」であって、「あぁそうそう、これが『エヴァ』だよ」と感じさせるのである。しかし、その一方で表の物語の裏で進行しているシナリオはアニメ版とは全く異なる別物であり、知っているはずの物語がどんどん知らない方向へ進んでいく。そこで「え、これが『エヴァ』なの?」という戸惑いが生まれるのである。「知っているエヴァ」が、どんどん「知らないエヴァ」へと変わっていく感覚。新劇場版はアニメ版を全く知らない人でも楽しめるとは思うが、この感覚はアニメ版を観ていないと味わえないだろう。

 そして、本編以上の衝撃を受けたのは、実はエンドロールの後に流れた次回作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の次回予告である。そこで流れたのはたった15秒ほどの映像とお馴染みのミサトのナレーションだったが、そのひとつひとつの映像および言葉が今まで全く観たことも聞いたこともない新鮮なものであり、かつ強烈なものであった。ただでさえ本編のラストシーンで衝撃を受けて空っぽになっている状態の脳に、この次回予告が与えた衝撃は相当なものであった。これは恐らく他の人も同じだったようで、次回予告が終わると同時に一気に場内がざわつき始め、そして上映が終わると自然に大きな拍手が沸き起こった。俺も「これは拍手ものだ」と思い、拍手に加わった。いやぁ、もう期待を遥かに上回る出来で、大満足だった。「どうせ焼き直しだろ?」なんて思ってたのが恥ずかしい。本気でエヴァをREBUILDする気なんだ。あぁ、もうこれで最後まで見届けないわけにはいかなくなった。
 そういや、俺の右隣にいた人(何か挙動不審だった…)は、この次回予告を見ずしてエンドロール中に席を立っていた。全く、愚かだな…。

 「最後の、誰!?」、「すごいことになったなぁ…」、帰り際、そんな声が聞こえた。全く同感だ。これから先どうなるのか、俺も気になって仕方がないではないか。でも、「破」はいつ公開なんだろ…? 「2008年公開予定」としか発表されてないし、パンフレットには「スタッフ募集中」なんて書いてあるし…。来年の今頃には観れるんだろうか…。

 その後、秋葉原や恵比寿に行ったのだが、もうそれについて書く気力がないので、今日はこの辺で。
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30代男。
三度の飯より鷹命。

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