Y's DIARY

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リピート



 ある時間帯、ある場所に行くと、その時点での記憶を保持したまま、意識だけを9ヶ月前の過去にタイムトリップさせることができ、その9ヶ月間をやり直すことができる。その時間遡行―「リピート」に、あなたを招待します。

 毛利啓介のもとに寄せられた、「カザマ」と名乗る男からの電話。

 あまりに非現実的、信じられるわけがないと思いつつも、その男は確かに「未来を知っているとしか思えない」予言を成功させ――。



 先日の『イニシエーション・ラブ』に引き続き、乾くるみの作品。別に乾くるみ特集ではないが、書店で本を物色していたところ、どうも気になったため手にとってみた。

 スリルあり、本格ミステリ的謎要素あり、と先が気になる展開で、1日で一気に読んでしまうくらい面白い作品だった。

 ただ、物語の中にぐいぐい引き込んでいく力はいいのだけれど、その分ラストが何とも物足りない。強引さがあって今ひとつ納得できないところがあるし、読後の余韻もさほど残らない。

 ……何か、俺が嫌いな、いわゆる「評論家」っぽい口ぶりだけど、あくまでこれは俺の「感想」ですんで。

 あと、これから読む人の参考までにひとつ。
 ネタバレにはならないと思うけど、「リピート」という現象それ自体には何のトリックもなく、「現実としてそれが起こるのだ」という認識で読み進めた方が楽しめるかな。俺はどうもそのあたり現実志向というか本格志向というか、その現象にも何かトリックがあって、それが最終的に解明されるのかと少し期待していたんだけどね。



 さて、乾くるみの作品を2冊続けて読んだわけだけれども、なるほど確かに面白い作品を書く作家だとは思う。

 しかし、どうしてもこの人が書く主人公の青年像が好きになれない。読んだ2作がたまたまそうだっただけなのかもしれないけど、どっちも(特に『リピート』の毛利)女たらしなんだよな。しかも、決まって妊娠させるという。もう、アホかお前と。

 おかげで、『リピート』に関してはほとんど全く主人公に感情移入できず、主人公が窮地に陥る場面でも「そのまま死んでしまってもいいのに」と思ってしまった。

 途中からは主人公に対して嫌悪感を覚えながら読み進めるというね(笑)。

 逆に言えば、それでも最後まで読みたいと思わせる面白い展開だったことは改めて言っておこう。
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Author:うーすけ
30代男。
三度の飯より鷹命。

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