Y's DIARY

Y's DIARY


第1話「始まりはいつも突然に」

  第1話「始まりはいつも突然に」

 この世界を支配する因果律という法則。物事にはすべて理由・原因がある。だとすれば、あの1年半に渡る騒々しくも愛すべき日々を生んだのは、あのときの俺の左クリックだったのではないか。

 就職活動というものに一応の区切りをつけ、無駄に要領よく単位を積み重ねていた俺が、ほとんど講義も予定もない日々を過ごしていた2008年5月のことである。

 別に、その先に大した目標があったわけではない。何かを成そうと考えたわけでもない。
 ただ、俺は「退屈」だったのだ。
 気付いたときには、俺は「それ」の購入確定ボタンを左クリックしていた。
 今振り返れば、まさにこれが、俺とそしてあいつらの遅すぎる(そしてあまりにも陽の当たらない)青春物語の号砲を打ち鳴らすトリガーだったのだ。

 翌日、「何を選択基準にすればそのような不便極まりない立地を選べるのか」と100回は問い質したくなるようなワンルームマンション、つまりは俺の部屋にAmazonから商品が届く。
 届いたのは、Wacom製のペンタブレット「Bamboo Art Master CTE-650/S1」である。ペンタブレット初心者にはちょうど良いサイズ・価格帯ということで、なかなか評判の良い商品だ。
 そう、退屈だった俺は絵を描きたいと思った。絵を描いて、ブログに公開して内輪で楽しみたいと、ただその衝動だけが俺を動かしていた。

 コピー用紙に描いた線画をスキャナで取り込み、そこにPhotoshopで色を付けていくという手法で処女作を描き上げたのは、さらにその翌日のことである。今見れば酷い出来であるが、とにかくそのときの俺にはその制作工程すべてが新鮮で、そして楽しかった。描き上げた作品をブログ上に公開して悦に入ったことは言うまでもない。
 後から知ったことであるが、このとき俺が公開したイラストからヤルキダネとでも言うべき衝動の種が、ADSL回線を通じてある男に伝播し、そして芽吹いていたのである。

 話はその数日後に飛ぶ。
 正午過ぎ、出掛ける準備をしていた俺の携帯電話が鳴る。発信者の名前はハヤト。大学で同じ学部に所属する同期の男であり、俺の悪友もとい数少ない友人の1人でもある。
 人の話を聞かない一方的な男はこうまくし立てた。
「いい作品ができた! とにかく読んでくれ! 出掛ける? じゃあ郵便受け入れとく!」
 それは、長く、そして俺たちにとって歴史的な意味を持つ半日の始まりを告げる声だった。

 つづく



 自分で自分が書いたものに解説入れちゃうという痛々しさ全開の「一言解説」!

 う~ん、やっぱり何から語らなきゃいけないかって言うと、俺がペンタブを買ったっていうところからだよね。
 そこからすべては始まったわけだし、逆に言えばペンタブ買ってなかったら、もしくはもう少し時期が後ろにずれていたら、すべてなかったことになってたかもしれないんだよね。
 そう考えると、人生って不思議なもんだって、この先もしかしたらすげー楽しいことが待ってんじゃないかって思えるような気がする。

 ではでは、今回はここまで。

 今回はほぼ「俺」のひとり語りだったけど、次回以降、登場人物も増える予定ですのでお楽しみに。
関連記事

Comments
Re: 第1話「始まりはいつも突然に」 
本当に陽の当たらない青春物語だわなw
でもやっぱり愛すべき日々である事に変わりはない
こうして振り返ると面白いなwww
引き続き楽しみにしている
Re: 第1話「始まりはいつも突然に」 
続きを楽しみにしている。
Re: 第1話「始まりはいつも突然に」 
まさかのコメントwww

しかし、やはり予想通りのコメント主www

ぼちぼち更新していくので、気長に待ってほしい。

« »

05 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
Profile

うーすけ

Author:うーすけ
30代男。
三度の飯より鷹命。

Blog Search
Recent Entries&Comments
 
Monthly Archives