Y's DIARY

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第8話「StrayDogs爆誕」

 第8話「StrayDogs爆誕」

 彼は赤い煉瓦の上を走り、どこからかやってきた別の仲間とじゃれ合っては雑草の上を転がっている。
 俺に見られていることにも気付いていないのだろうか。それとも気付いていて、その上で無視しているのだろうか。

 彼はどこから来たのだろう。首のアクセサリーは、彼に昔は家族がいたことを教えている。しかし、こうして毎日彼を見ていると、それは既に過去の話だということもまたわかる。

 彼はもう「飼われてはいない」。

 高校2年生のとき、俺は裏門の掃除担当だった。男7人(ちなみに、これでクラスの男子全員である)で掃除に向かうと、そこでクリーム色の毛に赤い首輪をした野良犬を見ることがよくあった。俺は、その首輪をつけた野良犬が醸し出すアウトローな雰囲気にどこか惹かれていた。

 彼は、人に飼われることをよしとしなかった。だからこそ、今こうして俺の前にいるのだろう。
 自分を縛る鎖から逃れ、どこへでも走っていける自由を、彼は手に入れているのだ。そう、彼は自由だ!
 いや、野良犬こそ自由の象徴だ!

 何にも縛られていないくせに、どこか社会の被害者ぶっていて、その上、何にも縛られないことによる不安さも知らぬ、若かりしマツモト少年はそんなことを思ったのであった。
 厨二病乙、である。

「StrayDogs!」
 それから数年の時が経ち、大学4年生になったマツモト青年もまた、やはり厨二病であった。

「サークル名はStrayDogs! 俺たちは野良犬。飼い慣らされとるわけじゃないってこと!」
 マツモト青年、会心の命名……のつもりであった。
 しかし、コージローおよびハヤトの反応は至極素っ気ない、そしてまたある意味で予想通りのものであった。

「まぁ、ええんちゃう?」
「……おいおい、そんだけか」

 こうして、我々同人ゲーム製作集団には「StrayDogs」という、ハングリー精神に満ちたハイセンスな名前が付けられたのであった。ワンワン。

 StrayDogsの本当の戦いはこれからだ。

 つづく



 「爆誕」って言葉、どっかで使いたいよねー、かと言って子供が生まれたときに「第一子爆誕おめでとう」なんて言ったらドン引きだよねー、ってことでここで使ってみました。

 「StrayDogs爆誕」、厨二病に厨二病を重ねたような趣深い味わいが生まれたと小躍りしています。

 まるでマンガの最終回のような文句で締めてますが、もちろんまだまだ続きますよ。
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30代男。
三度の飯より鷹命。

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